特別編・いま、hontoに望むこと

「みなさん、おひさしぶりです!」
「ホントに久しぶりだねー。一年以上更新してなかったじゃない?」
「まあ、あたしが、就職しちゃったからね…。時間とれなくなったのが大きいな。それと、このブログ、書くのもいろいろと時間かかって、大変なのよ。一冊の本について書くのに、最低3回は読まないといけないからね。労多くしてなんとやらで…」
「ふーん」
「でも、面白いことに、ブログを毎日せっせと書いていた頃と、休止してからの一年を比べてみても、閲覧数って、そんなに変わっていないのね」
「そうなの」
「まあ、ほそぼそとでも、見てくれている人のおかげかな」
「で、今回は、なんなの?」
「今回は、ブログのサブタイトルにしている、hontoについての、あたしの意見表明というか、提案をしたいと思ってね。これまでやってきてた本の紹介とは趣を変えて、特別編として、お届けしようと思って」
「へえ」
「あたしが今使ってる電子書籍サイトは、hontoと、他にヤフーのebookjapan、角川のbookwalkerがあるんだけど、それぞれ一長一短があって、たとえばhontoは、ここをこうすれば、もっと利用者が増えるんじゃないかなあと思うところが、多々あったんだよね」
「そう」
「じゃあ、まず手近なプラットフォームのデザインから触れていくね」

・トップページに、「もっと売らんかな」の姿勢を!

「どこの電子書籍サイトを見ても、トップページには、無料マンガやら割引セールやらの広告がドーン!と、出てくるんだよね。これが、すごく目を引くんだよ。ところがhontoは…」
「なんなの?」
「あなたにオススメのブックツリー、という、割引とは全く関係ない、本の紹介ページと、『電子書籍と紙の本は、敵ではなく、仲間です」という、無難なキャッチフレーズが並ぶだけなんだよね」
「ふーん」
「もちろん、他社でやってるセールは、hontoでも、同じようにやっているんだけど、その表示にたどり着くには、数段階クリックして表示させなければならないんだよね。この、ちょっとした、手間が、一見さんの慣れていないユーザーには、高い敷居になってるんじゃないかな、と、思うんだよね。もしかしたら、トップページだけ見て『なんだ、hontoは、セールや割引やってないのか、じゃあ、使うのやめとこ』と思われかねない、と、心配なんだよね」
「へえ」
「ホントでも他社でも、割引は、出版社ごとに、大体似たようなシステムになってるから、さぐっていけば、差はないんだけどね。たとえば、hontoのクーポンにたどり着くには、右上のマイページのそばに小さい文字で示してある、『クーポン』ってのをクリックしないと、出てこないんだよね。あと、各出版社の割引フェアにたどり着くには、その、出てきたクーポンの、下のほうに、小さく、ちいーっさく表示されてる、『おすすめ特集』ってのを、押さないと、たどりつけない。」
「うん」
「まあ、hontoの、『電子書籍ストア』『本の通販ストア』『店舗情報』とあるなかの、『電子書籍ストア』をクリックしても『おすすめ特集』は、出てくるんだけど…そこに、角川や講談社をはじめとする出版社の期間限定割引フェアなんかの情報はあるんだけど…それも、ものすごく小っちゃいアイコンなんだよ。広告する気あるの?って、疑っちゃうくらい」
「ふーん」
「まあ、うがった見方をすれば、hontoは他の電子書籍サイトと違って、紙の本のほうも扱ってて、書店ともつながりがあるから、一方的に電子書籍のセールを大々的に行うわけにはいかないのかな、という裏事情もあったりなかったりするのかな、という見方も出来るんだけど…これじゃ、みすみす客を取り逃がしてるようなもんだと思うんだよね。だいたいが、トップページから、『電子書籍サイト』に飛ばなきゃ出てこない、って時点で、そのワンクリック分、読者に余計な負担と、もしかしたらそこを見逃されてしまうかもしれない可能性があると思うんだよね。ここで、hontoは、そうとう、損をしてると思うな」
「うん。で、提案としては、どうするの?」
「まず、セールの表示を、うんと派手に、トップページにドーンと、持ってくることだね。他の電子書籍サイトに負けないくらい…。なんと言っても、サイトの顔だからね。数回ページを開いてもぐりこまなきゃセールの概要にたどりつけないなんてことはやめること。各出版社がセールの目玉として押し出している無料本や割引について、これでもかというくらい、アピールすることだね」
「そうすると、下品にならない?」
「ならないって。デザイン性のよさは保ちつつ、十分に可能だと思う。そこは、いまのお上品なデザインを作っているクルーの腕のみせどころだね」
「ふーん」
「あたしなんか、無料本を探すとき、いつも、『期間限定無料』ってワードで検索しているんだよ。そうすると、出てくる、出てくる。他社のサイトでは有料で扱ってる本まで、無料で出てくることもある。無料本には、二通りあって、期間限定配信でしか見られない奴と、一度買うと、ずっと自分のものに出来るものと。これは出版社や本によって、色んなパターンがあるけど、たとえば、講談社のマンガなんかは、ずっと持っておけるパターンが多くて、お得だね」

・ブックキュレーターのパワーアップを!

「hontoのトップページに来てるブックキュレーターの推す5冊、っていう記事があるんだけど、これが、なかなか面白くて、時々参考にしてるのね。各界の著名人が、面白いと思った本を推薦するコーナーで、なかには島田荘司、今村翔吾、国際的なものでは、中国の推理作家、陳浩基、陸秋差なんかもいて、『この人が薦めるんなら、読んでみようかな…』と、思わせるような面々が並んでいるんだよね。」
「うん」
「ただ、トップページに、その名前が表示されないから、おススメで出てきている本の表紙をクリックしないと、誰が薦めているのか、他にはどんな本を押しているのか、が、出てこないんだよね。さらにページを掘り下げて、『ブックキュレーター一覧』ってとこに行かないと、誰が参加しているのかもわからないし。」
「ふーん」
「それと、本を薦めるのはいいんだけど、紹介する文章が、文字数の制限でもあるのか、ほんのちょっとしか、ないんだよね。せめて、どこがどういう風に面白いのか、もっと長文で、出来れば出版社の許諾を得て、本の文章の引用(マンガの場合は画像の引用)もちりばめて、紹介文を読んでる人に、『気になる!これは買わなきゃ!』と、思わせるようなものにできればいいと思うんだけどね」
「本文を引用なんて、このブログみたいじゃない」
「そう、あたしがいままでやってきたような引用による本の紹介を、今度は、出版社の許諾を得て、著作権をクリアにしたうえで、目立つように大々的に行えばいいと思うんだよね。まるで、映画の予告編のようにね」
「ふーん」
「これは、効果あると思うな。今までどこも、そこまで踏み込んだものはやってないからね。アマゾンやら他の電子書籍サイトにしたって、試し読みできる部分は、冒頭のみ、って、限られてるし、この本が本当に面白くなるのは、ここがミソ!って部分を、効果的に演出して、チラ見せしていくことが出来れば、本の売り上げに大いに貢献すると思うなあ」

・YouTubeの最大活用を!

「これは、今でも不思議なんだけど、YouTubeを広告の手段として有効活用している出版社って、あたしの知る限りでは、ほとんどないんだよね。講談社や集英社が、マンガでほそぼそやってるくらいで。文字の本については、個人のインフルエンサーである『文学少女ベル』って人が、自分の選んだ本を定期的に紹介している例があるくらいで…」
「うん」
「ここで、出版社と協議のうえで、本の読みどころ、どういう具合に読者を引っ張っていくか、購買意欲を掻き立てるか、という場を作ったら、それはもう、効果的だと思うんだけど」
「ふーん」
「hontoを運営してる会社は、実は今はやりのVtuberも、すでに持っているんだよね。『ファンズちゃん』っていう…。ところが、全然生かしきれてない。ほとんど休眠状態なんだよね」
「それを使えばいいってこと?」
「そう、今、Vtuber業界って、勢いすごいじゃない?企業から自治体まで、花盛りってな状態よ。人気のあるVtuberは、絶好の本の紹介インフルエンサーになると思うな」
「うーん」
「実は、ツイッターなんかでも、本の紹介は、好んで取り上げられる話材なんだよね。例えばこのブログの、『真夜中のデッド・リミット』なんかは、扶桑社編集部にリツイートされて、拡散した、という過去事例もあるんだから」
「そうなんだ」
「それと同じようなことを、YouTubeでVtuberを使ってやれば…効果は絶大だと思うんだよね。たとえば、面白いマンガを探している人は、必ずこのVtuberを登録して、常にアンテナをはりめぐらす、みたいな状況を作れれば、最高だね」
「そうねえ」
「ただ、注意しなくちゃならないのは、Vtuberって、生モノだからね。無批判に広告を垂れ流すだけの人は、見透かされて見向きもされないし、キャラ自体が楽しいとかいじりやすいとか、個性ってもんがないと、今のVtuber乱立の世の中を生き残れないよね」
「まあ、そうだろうねえ」
「要するに、本を選ぶにも、紹介の仕方、演出にも、目を引く個性というか、作家性が要求されるわけだよね」
「うーん」
「でもこれが実現できれば、YouTubeの視聴者にとっても、出版社にとっても作者、読者にとっても、とっても魅力的で有用な場になると思うんだよね」
「本の選定というか、ライターは大変になるような気がするけどね」
「もしhontoが本気になってこの企画を考え始めるなら、あたしも、およばずながら、拡散に応援しようと思ってるよ」
「まあ、そう、うまくいくかどうか、だけどね」
「できたら、このブログを目にとめたhontoの方がいたら、是非考えてもらえないかなあ…」

(おまけ)「できたら、ebookjapanみたいに、本の背表紙表示の並びも出来るようにしてもらったら、嬉しいな。何せ、買った本の数が多くなると、本棚を見る感覚で背表紙で見られるほうが、いろいろと便利なので…まあ、これは、システムの大幅な作り変えが必要になるから、あくまで個人的に、お願いする、ということだけどね」

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